Appleの新たなAI機能「Apple Intelligence」の正式な立ち上げが迫る中、iOS 18.2の開発者ベータ版がリリースされた。この更新により、Siriが持つ機能が大幅に向上し、ユーザーにとってより便利な存在になる。特に注目すべきは、視覚的知能の追加と、SiriがChatGPTへのリクエストを転送できるようになることである。これにより、Siriは単なる検索エンジン以上の役割を果たすことが可能となる。
新たに加わった機能では、Siriが特定のリクエストをChatGPTに送信する際、毎回確認を求める。この仕組みにより、ユーザーは自分が求めている情報に迅速にアクセスできる一方で、基本的な質問に関しては依然としてSiriが自ら応対する。例えば、選挙日などの基本的な質問はChatGPTに転送されることはなく、Googleを用いて情報を提供することも可能だ。ただし、より複雑な質問に対しては、ChatGPTを介して多様な回答が得られるようになる。
加えて、iPhone 16のユーザーは「視覚的知能」によって、写真を撮影しChatGPTに分析させるか、Google画像検索を用いて類似の結果を探すことができる。これは、iOSに特化されたGoogle Lensといったところであり、iPhoneがこのような機能を持つのは待望のことであった。
Appleはプライバシー保護にも配慮しており、ユーザーのリクエストはOpenAIによって処理されるが、リクエストや応答は保存されない。ユーザーがOpenAIアカウントにログインしなければならなかったり、アカウントを作成する必要はなく、これも利用者には嬉しいポイントである。
しかし、AIチャットボット全般に共通する問題もあり、実際に試したところ、Garfieldの漫画のジョークを説明させたら、全く無関係な詳細を作り上げることがあった。GoogleのGeminiとの比較では、ChatGPTは参照元のリンクを明示的に提供せず、それをチェックするのが難しいことがあるのもやや不便だ。
とはいえ、iOS 18.2の導入により、Siriの機能は格段に進化し、今後のアップデートではアプリ内での行動を行うことなど、さらなるAIの可能性も秘めている。これにより、Siriは今後ますます重宝される存在へと変わっていくだろう。