元Intelの重役であるRenee Jamesが設立したAmpere半導体企業が、最近SoftBankに約65億ドルでの売却を検討されているとの報道が出ている。この情報はBloombergによって伝えられ、2021年における8億ドルの評価額からの大幅な価格見直しを示している。Ampereはデータセンター向けにARMチップを設計しており、これがSoftBankにとって魅力的なマッチングとなっている。SoftBankはARM Holdingsの大株主でもある。Ampere側は現時点でコメントを控えている。
Ampereは2017年にJamesによって設立され、彼女はIntelでの28年間のキャリアを経てこの企業を立ち上げた。彼女はCEOの役職に就くことができなかったため、Private Equity会社であるCarlyleのディールメーカーとして働いている時期にAmpereを設立した。Jamesによれば、チップメーカーであるMacomの一部を購入したいと考え、Carlyle及びOracleにこのアイデアを持ちかけ、協力を得ることに成功した。
彼女のビジョンは、低エネルギー消費のARM設計を用いたデータセンター向けのチップを作ることであり、その概念は当時新しいものだった。Oracleを含む大手クラウドプロバイダーからも大きな顧客を得ることに成功した。ところが、最近のOracleの年次報告書では、同社がAmpereの29%の株を所有しているだけでなく、同社の支配株を手に入れるオプションを持っていることが明らかになった。Oracleは「これらのオプションが行使されれば、私たちはAmpereを支配し、その業績を自社の業績に統合することができる」と述べている。
また、年次報告書の中でJamesは、彼女がOracleの取締役会から辞任すると明言されている。Ampereがプライベート企業であるため、彼女が現在どれだけの所有権を持っているかは不明であるが、彼女は創業以来CEOの座に居続けている。
Ampereは9月頃から市場に買収候補として出る噂が立ち始めており、SoftBankとの取引は確定していない。報道によると、取引条件が変更される可能性や、そもそも取引自体が成立しない可能性もあると指摘されている。技術業界の動向がどのようになるのか、今後の展開が注目される。