カメラ業界におけるメガピクセル競争は未だ続いていると、Canonは主張しています。2025年1月、Canonは新たに解像度410メガピクセルを誇る35mmフルフレームCMOSセンサーを発表しました。このセンサーは、解像度24,592 x 16,704ピクセルで、24K相当のものとなり、8Kの解像度の12倍、HDの198倍に相当します。
Canonによれば、このセンサーは35mmフルフレームセンサーの中で “これまでに達成された最大のピクセル数 “を持っているとのことですが、消費者向けのデジタルカメラでの採用は期待できません。あくまでも監視や医療、そして極度の解像度を必要とする工業用途向けに設計されており、そのため相当なコストがかかります。
この新しいセンサーは、”再設計された回路パターン”と、新しく開発された”バックライティング stacked formation”によって実現されています。この技術により、ピクセルセグメントと信号処理セグメントが層状に配置され、高速読み出しが可能となり、で3,280メガピクセル/秒のスピードでのデータ処理を実現しました。その結果、フル解像度の画像を8コマ/秒でキャプチャすることができます。
また、Canonはこのセンサーのモノクロ版も提供予定で、”4ピクセルバイニング”機能が搭載されています。これにより、低照度環境での感度が向上し、近くの4つのピクセルを1つとして処理することで、解像度は減少しますが、100メガピクセルの動画を24fpsで撮影することも可能になります。
通常、最高のメガピクセル数を求める場合は、中判またはそれ以上のセンサーや大型カメラに頼ることが多いです。たとえば、Phase One XF IQ4は150メガピクセルの画像をキャプチャできます。しかし、Canonはこの高解像度を35mmセンサーに収めることで、すでにフルフレームカメラ用に展開されているレンズの範囲を活用し、撮影機器の小型化に貢献することを目指しています。
この新しい410メガピクセルのCMOSセンサーは、特に専門的な分野において今後の撮影技術を大きく進化させるポテンシャルを秘めています。Canonの最新技術によって、より高い解像度の画像が手に入ることになるでしょうが、それが果たして一般のカメラ市場にどのような影響を及ぼすのか、今後の展開に注目です。