Nvidiaは、2025年のCESで新しいRTX 50シリーズGPUを発表しましたが、実際にはAI技術が同社の真の目玉であることが明らかになりました。この完璧なAIの世界では、ゲームやPCがクラウド処理なしでユーザーのPC上で直接動作することを目指しています。しかし、実際に体験したデモでは、AIの発展にはまだ多くの課題があることが浮き彫りになりました。
特に、Nvidiaが開発しているテキストからボディモーションへのフレームワークには注目が集まっています。開発者がこのツールをどのように活用するかは未知数ですが、AIによるリップシンク機能や「自律的な敵キャラクター」を使って、従来のボス戦をより予測不可能なものに変えることを目指しているとのことです。
しかし、これらの新しいAI技術は、必ずしも期待通りの結果を生んでいるわけではありません。例えば、PUBG: Battlegrounds向けに開発されたAI「Ally」は、一般的な協力型AIを一歩進めたものではありましたが、実際にはユーザーの指示に遅れがちで、期待されたサポートを十分に発揮できませんでした。ユーザーがピアトラに撃たれた際に「助けて!」と呼びかけても、AIは周囲を無視して敵に弾を撃ち続けるという状況が見受けられました。
さらに、NvidiaはKraftonの技術を用いて、InZOIというライフシミュレーションゲームを開発中ですが、こちらもあまり魅力的な体験とは言えませんでした。AIがキャラクターの選択をプランニングすることになっていますが、プレイヤーに感情的な興奮を与える魅力が欠けているとの印象を受けました。
一方で、Nvidiaのデスクトップ補助アプリであるG-Assistは、チャットボットがNvidiaのアプリで設定を自動的に操作するための機能を持つ大きなメリットとして示されました。この機能により、ユーザーはPCのスペックに最適なゲーム設定を計算する手間が省けるかもしれません。
今回のCESでの展示は、NvidiaがAIの導入に熱心であることを再確認させる内容でしたが、実際にはユーザーの期待には応えていない部分が多いことも明らかになりました。AIは単に興味を引く以上のものでなければならず、実用性と楽しさを兼ね備えた進化が求められています。
今後、Nvidiaがどのようにこれらの技術をチューニングしていくのか、そして真正のゲーム体験として実現させていくのか、注視していく必要があります。AIによるプレイヤーとのインタラクションが進化していく中で、ゲーム業界の今後の方向性に影響を与えるかもしれません。