コンピュータ技術は最終的に1と0の組み合わせに帰着します。具体的には、ChatGPT Plusの20ドルの価格に0を1つ追加すると、OpenAIの最新のプレミアムプランとなるChatGPT Proの月額200ドルになります。今回の新しいサブスクリプションは、エンジニアや研究者を対象にし、同社のGPT-4oおよびo1モデルへの無制限の使用を提供します。特にo1モデルの「プロモード」は人間の推論を模倣してより複雑な質問に答えることを目的としています。
この発表は、ホリデーシーズンに向けて12の新製品を披露する「12 Days of Shipmas」の一環として行われました。今年の初めには、o1が限定的にプレビューされ、そのo1-previewおよびo1-miniモデルは、ストロベリーというコードネームで知られていました。次世代の大規模言語モデルは、複雑な計算をチェーン・オブ・ソート推論を通じて行う新たなアプローチを示しました。基本的には、質問に答える前に「考える」ことのできるチャットボットです。
同社のベンチマークテストによれば、o1モデルはプログラミング競技で89パーセンタイルに達し、国際数学オリンピックの予選テストからの質問に対して83パーセントの正答率を得たといいます。対照的に、GPT-4oは14パーセントしか正解できませんでした。しかし、このモデルにも短所があります。処理速度が遅く、コストもGPT-4oや他のモデルより高くなっています。o1のプレビュー版では、入力トークンの価格がGPT-4oのトークンの約3倍でした。AI開発プラットフォームVellumの分析によると、推論モデルは前モデルに比べて30倍遅いとのことです。
レビューでは、o1が複雑な数学問題やコーディング作業に関しては優れた能力を発揮する一方で、単純な質問にはあまり改善が見られず、時には劣る場合もあるとのこと。実際、OpenAI自らのヘルプページも「GPT-4oがほとんどのプロンプトに対して依然として最良の選択肢である」と認めています。
もちろん、新しいChatGPT ProサブスクリプションにはGPT-4oと新しいo1推論モデルの両方にアクセスできるため、ユーザーはニーズに応じて選択肢を切り替えることができます。それとも、200ドルを他の何かに使うこともできるでしょう。