グーグルは、AI、AR、VRへの数年にわたる投資を背景に、再び拡張現実市場に乗り出しました。新しいオペレーティングシステム「Android XR」は、今後のヘッドセットやグラスに利用され、「見る、働く、探る」方法を変えるとされています。最初に登場するのは、サムスンが製造する混合現実ヘッドセット「Project Moohan」で、来年販売が予定されていますが、詳細はあまり明らかにされていません。開発者は早速、新しいXR版Androidにアクセスできます。
「グーグルグラス以来、この分野には関わってきました。私たちは止まることがありませんでした」と、GoogleのXR製品責任者Juston Payneは、Android XRのローンチビデオで語っています。グーグルレンズ、地図のライブビュー、カメラの瞬時翻訳、そして当然のことながら、一般向けのGemini AIなど、既存のプロジェクトがXRに統合され、専用ヘッドセットとカジュアルな眼鏡の両方でオーバーレイを提供することが期待されています。
現在のところヘッドセットのレンダリングや、概念のための視覚化としてラベル付けされた動画の例を除いては、詳細はほとんどありませんが、Gemini、Maps、Photos、Translate、Chrome、Circle to Search、Messagesなどが搭載される可能性があります。既存のAndroidアプリも、対応するように更新されれば、実現可能であると考えられます。
Project Moohanは、AppleのVision Proと同様の利用目的に向けられており、家族の写真、テレビ視聴、生産性を重視しているようです。一方で、Android XRはMetaのスマートグラスやSnapのSpectaclesに類似した拡張現実眼鏡も狙っています。グーグルは今週、AIアシスタント「Project Astra」のアップデートを紹介するビデオを公開し、Astra搭載の眼鏡が動画内で3:25の時点でさりげなく紹介されました。
果たして、ゲームを目的としないARヘッドセットや、SnapやMetaの製品に対抗する明確な競合の余地が市場にあるのかはまだ不明です。AppleはVision Proのハードウェアサイクルを明確に縮小しており、デバイスの使用頻度は予想よりも低いことが報告されています。グーグルの以前の視覚ベースのARプラットフォーム、グーグルグラスは消費者レベルでは成功しませんでしたが、特定のユースケース向けの企業向けデバイスとしては存在し続けました。グーグルグラスエンタープライズエディション2は2023年に販売とサポートを終了しました。