フィットネスアプリのストラバは、サードパーティアプリへのユーザーデータアクセスを厳格に制限すると発表しました。ストラバは、サイクリストやランナー、ハイカーなどの運動愛好者に人気のあるアプリであり、利用者は世界中で1億人を超えています。ユーザーは主にストラバを使用してトレーニングの成果を記録するため、他のアプリがストラバのAPIを介してデータを取得することが一般的でした。しかし、ストラバは今週、重要なお知らせとしてユーザーにメールを送り、サードパーティアプリが「ストラバのアクティビティデータを他のユーザーに表示すること」ができなくなることを伝えました。さらに、ストラバのAPIデータは「人工知能モデルやその他の同様のアプリケーションでの使用」が禁止され、サードパーティアプリはストラバのデザインを模倣せず、「補完する」ように設計される必要があるとしています。
この変更は、利用者が自分のデータがどのように表示されているかを意識していない場合に、他のユーザーに不本意な情報が公開されるのを防ぐために行われたとされています。特に、軍事施設などの例が挙げられ、ユーザーのプライバシーに対する強い配慮が表れています。 しかし、フィットネス業界の一部のアプリ開発者はこの変化に驚いており、重要な機能を失う可能性があると警告しています。
フィットネス技術のブロガーであるDC Rainmaker氏は、ストラバの変更がコーチングアプリにおいて致命的な影響を与える可能性があると指摘しており、他のユーザーとパフォーマンスデータを共有することができなくなるとしています。また、インターバルというアプリのマネージャーは公式フォーラムで、ストラバをデータソースとして利用できなくなることを懸念しています。ストラバは、これらの変更が「ストラバプラットフォームでのアプリケーションのごく一部に影響する(0.1%未満)」と述べており、大半の既存の使用例には影響がないとしていますが、影響を受ける開発者たちは強い不安を抱えている状況です。
今後のフィットネスアプリ業界におけるストラバの役割がどのように変わるのか、注目が集まっています。特に、ユーザーのプライバシーを守るための措置が実際のサービス提供にどのように影響するのか、さらなる議論が必要です。